AIO対策の会社を探すと、まず「おすすめN選」型の比較記事が並びます。候補は集まりますが、そこから1社に絞る材料は載っていません。決め手になるのは、商談で何を聞くかです。この記事では、見積もりを取る前に自分で決める3つ、商談でそのまま読み上げられる質問11問、契約書で確認する条項、断ってよいサインを順に書きます。
N選記事で決まらないのは、比較の軸が自分の側にないから
2026年9月6日、Googleで「AIO対策 会社」を検索しました。自然検索の1ページ目に並んだ8本は、大半が「おすすめN選」型の比較記事です。うち1本は3日前の公開でした。検索広告は別に4本。最上部の「AIによる概要」は、支援会社を「診断・分析特化型」「サイト改善・コンテンツ重視型」といったタイプに分けて説明していました。AIO対策とは、GoogleのAIによる概要やChatGPTのようなAI検索で引用・推薦される側になるための施策を指します。
N選記事もタイプ分けも、候補を集める段階では役に立ちます。決まらないのは次の段階です。掲載順はその記事の編集方針で決まっていて、自社の事情は入っていません。「診断・分析特化型」と「サイト改善・コンテンツ重視型」のどちらが合うかも、自社が何を必要としているかを先に決めないと選べません。比較の軸は、依頼する側が持つものです。
| N選記事から分かること | N選記事では分からないこと |
|---|---|
| 候補になる会社の名前と、おおまかな支援タイプ | 自社の業界を書ける人がいるかどうか |
| サービス内容の見出し(診断・記事制作・技術実装など) | 月に何本の記事が公開されるか |
| 料金レンジが載っていることもある | 最低契約期間と、途中で止める条件 |
| 実績として挙がっている業種 | 解約したとき記事とサイトが自社に残るか |
この語を調べる人は増えています。「AIO対策 会社」の月間検索数は170回で前年比+51%、クリック単価は$28.58。「LLMO対策 会社」は480回です(ラッコキーワード、集計期間2025年8月〜2026年7月)。1クリックに数千円を払ってでも取りにくる問い合わせだということです。売り込みの熱量と、サービスの中身は別に見る必要があります。
見積もりを取る前に、自分で決める3つ
商談の前に次の3点を決めておくと、話が「御社に合わせます」で終わりません。決めていない状態で見積もりを取ると、会社ごとに前提の違う金額が並び、比較になりません。
- 1.何が増えたら成功とするか:問い合わせ件数か、来店・購入か、指名検索の増加か。ひとつに絞ります。順位や表示回数は途中の指標で、事業の結果ではありません。ここが決まっていないと、報告書の読み方も決まりません。
- 2.月に何本の記事を出したいか:本数を先に置くと、月額を割って1本あたりの単価が出せます。相手に本数を決めさせると、金額を横に並べても意味が出ません。
- 3.既存サイトのコードを触らせるか:構造化データ(記事の内容を機械が読めるように書くコード)の実装や内部リンクの整理は、サイト本体を編集します。触らせない方針なら、記事の制作だけを頼む形になり、頼める会社も金額も変わります。
3点が決まったら、金額の読み方はAIO対策の費用相場と、見積もりの読み方にまとめてあります。この記事は、会社の中身を見分ける質問を扱います。
3点は要望として伝えるためのものではありません。相手の答えを採点するための物差しです。本数と、触らせる範囲と、成功の定義。この3つが自分の中で言葉になっていれば、商談の場で答え合わせができます。

商談でそのまま聞く11の質問
以下はそのまま読み上げられる文にしてあります。答えの内容より、答えられるかどうかを見ます。即答できない質問があっても、後日書面で返ってくるなら問題ありません。持ち帰りを嫌がる場合だけ、理由を確かめます。
- 記事は誰が書きますか。AIの下書きを使いますか。使う場合、人はどこを直しますか。
- 私たちの業界について、書き手は何を知っていますか。過去に書いた同じ業種の記事を見せてください。
- 記事の材料はどこから集めますか。私たちへのヒアリングは月に何回、1回あたり何分ですか。
- こちらが用意するものを、着手前に一覧でください。写真、社内の数字、原稿を確認する担当者。
- 月に何本の新規記事を公開しますか。既存記事の書き直しは、その本数に含まれますか。
- 毎月の報告には何が載りますか。検索順位、サイトへの流入、問い合わせ件数のうち、継続して測るのはどれですか。
- AI検索で当社が言及される回数は、どうやって数えますか。数えられない場合、その旨を報告書に書いてもらえますか。
- 構造化データ、llms.txt(AIに読ませたい情報をまとめたテキストファイル)、内部リンクの整理は、誰がどこまでやりますか。
- 私たちのサイトのコードを触りますか。触る場合、変更の前に確認を取りますか。作業の記録は残りますか。
- 契約を解約したら、公開済みの記事、サイト、Search Consoleなどの計測アカウントは私たちに残りますか。契約書の何条に書いてありますか。
- 最低契約期間は何ヶ月ですか。期間の途中で止められる条件はありますか。
実績についても聞きます。ただし社名は必須ではありません。守秘義務で出せない事情は普通にあります。聞くのは数字の出どころです。「その数字はSearch Consoleの実測ですか、順位計測ツールですか」「開始時点はどういう状態でしたか」「期間は何ヶ月ですか」。この3つに答えられれば、社名がなくても中身は読めます。
AIの下書きを使う会社は避けたほうがいいですか。
使うこと自体は判断材料になりません。聞くのは、人がどこを直すかです。事実関係の確認、業界特有の言い回し、自社の数字の差し込み。ここに人の手が入っているかどうかで記事は変わります。「AIは使っていません」という答えも、それだけでは品質の保証になりません。過去記事を1本読ませてもらうほうが早い。
商談の段階で契約書を見せてもらうのは、早すぎませんか。
早くありません。雛形でよいので見せてもらいます。解約時の扱いと最低契約期間は、口頭の説明と条文が食い違うことがある箇所です。契約書を出すのは受注が決まってから、という運用の会社もあります。その場合は「解約時に記事とアカウントがこちらに残る」という一文を、見積書か提案書に書いてもらえるかを確認します。

契約書で確認する条項
見積書に書かれるのは金額と作業範囲までで、止めたときに何が起きるかは契約書側にあります。次の5点を条文で確認します。
成果物の権利。記事の著作権が自社に移るのか、利用許諾にとどまるのか。移らない場合、解約後にその記事を公開し続けてよいかを条文で読みます。解約時のデータ。記事本文、使用した画像、Search ConsoleやGA4の管理者権限。返還や引き渡しの規定があるか。制作会社のシステムに記事が載る形なら、ここが空欄だと解約と同時に記事が消えます。
最低契約期間と中途解約。何ヶ月か、途中解約の申し出は何ヶ月前か、違約金があるか。月額5万円でも最低12ヶ月なら、判断しているのは60万円の支出です。サイトを触る範囲。編集の対象と、作業前の承認手続き。報告の内容と頻度。条文になければ別紙で構いませんが、口頭だけの合意は残りません。
断ってよいサインと、断る理由にならないもの
次の4つが揃わない場合は、契約前に埋めてもらいます。埋まらないなら見送って構いません。提案書に月の記事本数が書かれていない。単価が計算できず、他社と並べられません。AI検索での言及回数を保証する。順位・流入・問い合わせ件数は継続して計測できますが、AIの回答は同じ質問でも出力が変わるため、順位のように毎日数えられる指標ではありません。保証を聞いたら「その回数はどのツールで、いつ、何回測りますか」「満たさなかった場合の扱いは契約書の何条ですか」と返します。答えが口頭の説明だけなら、その保証は契約上は存在しません。
解約時の扱いを口頭でしか言わない。「もちろんお客様のものです」で終わらせず、条文を指してもらいます。質問への回答が事例の話にすり替わる。本数を聞いたのに他社の成功例が返ってくる場合、同じ質問をもう一度します。2回目でも戻らないなら、そこは弱い部分だと考えます。
逆に、これだけでは断る理由になりません。実績の社名を出せない(守秘義務は普通にあります)。AIを下書きに使っている(人がどこを直すかで判断します)。金額が高い、あるいは安い(含む範囲と本数を揃えるまで高安は決まりません)。歴史が浅い(AIO対策という語自体が数年の分野です)。
何社に声をかけるのが適切ですか。
本数に決まりはありません。上の質問11問を同じ順番で全社に聞き、答えを表にできる数が上限です。3社を丁寧に聞くほうが、6社から資料を集めるより差が見えます。同じ質問を同じ言葉で聞くこと自体が比較の条件になります。会社ごとに聞き方を変えると、答えが並びません。
参考:当社の場合
テマナシSEO/LLMOの答えも書いておきます。記事の下書きにAIを使い、事実関係・数字・業界の言い回しは人が確認して直します。新規記事は月8本、順位を上げるための書き直しは本数に含めず追加費用もかかりません。AI検索での言及回数は保証しません。数え方が定まらないためで、報告書には順位・流入・問い合わせ件数を載せます。最低契約期間は6ヶ月です。記事とサイトはお客様のドメインとアカウントに置くので、解約後もそのまま残ります。含むもの・含まないものは料金ページに行単位で載せています。上の11問は、そのまま当社に当ててください。
参考資料・一次ソース
- AI機能とウェブサイト— Google 検索セントラル
- 構造化データに関する一般的なガイドライン— Google 検索セントラル
- Search Console検索パフォーマンスの見方— Google Search Console ヘルプ
AUTHOR
この記事を書いた人

杉山 誇京
株式会社FiTin 代表・テマナシSEO/LLMO運営
デジタルマーケティング大手・オプト出身。大手メーカーから飲食店舗まで、幅広い業種のマーケティング支援に携わってきた。現在はマーケティングと開発の両方を武器に、EC・店舗・住宅など業種を問わずWeb集客サイトを自ら制作・運用している。
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